遺影というものは、当然ながら、写真がない時代にはありませんでした。遺影が登場したのは戦後です。第2次世界大戦以降に普及した習慣です。ですから、仏教の教えの中にも遺影の取り扱いに関する事柄はありません。お寺のお坊さんに聞いても、お坊さん自身の個人的な見解をお伝えいただくことになり、その意見が仏教の教えであるということではありません。聞く相手によっても当然ながら見解が異なります。そこで、私たちなりに調査をした結果、複数ある見解の中から、寺院の考え方をざっとまとめましたので、以下にお伝えします。
遺影写真は、故人を思い出して心をつなぐためのツールですから、写真自体を仏壇の中に入れるのではなく、仏壇以外の場所においておくべきだというのが大方の意見のようです。また、大きな遺影写真は仏壇の真上に置いてはいけないようです。故細木和子さんは地獄に落ちるとまでおっしゃっていたようです。仏壇の中にいらっしゃるご本尊様よりも上に位置させることにどうやら問題があるということのようです。それだけ仏壇を大事にすべきという意味でおっしゃっていたようです。
遺影写真はあくまで心をつなぐためのものですから、写真に向かって手を合わせるのも違うようです。手を合わせる対象は、あくまでもご本尊様であって、写真に対して手を合わせるわけではないようです。ですから、遺影写真を小さなサイズにスケールダウンして好きな場所に飾ってもいいですし、そもそも、飾る必要もないようです。押し入れにしまっておいて、何かの拍子に出てくると、ぎょっとしてしまうことも少なくないようです。遺影写真はあくまでも葬儀のためのものですから、故人を偲ぶものであれば、生前の自然体の写真を飾っておくほうが心をつなぎやすいのかもしれません。
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