鳥取県の人口は26年連続で減少し、54万6000人あまりとなりました。鳥取県の総人口は1988年の61万6371人をピークに、それ以降長期にわたって減少傾向が続いています。減少率は0.95%と全国で15番目ですが、人口総数はすべての都道府県で最も少ない人数です。人口問題研究所の「日本の都道府県別将来推計人口」によると、今後も人口は減少を続ける見込みで、2045年には44万人になると予想されています。
市町村別では、日吉津村のみ前年より24人だけ増加しましたが、それ以外の18の市町はいずれも減少しました。出生数と死亡数を比較した「自然増減」では4491人の減少。県内への転入者と県外への転出者を比較した「社会増減」は866人の減少でした。主な原因は高齢化や減少し続ける出生数、若年者の就職、進学による県外流出などが挙げられます。一度、県外にでた若者は、ほとんどが、関西・関東エリアに就職する傾向が強く、今後も若い世代の県外転出が続く傾向が継続すると見られています。
鳥取県の有効求人倍率は1.61(2017年度)ですので、探せば仕事はある状況ですが、都会に比べると選べる職種は限られてるのが現状です。仕事はあるけど、自分のやりたい仕事がないという理由から、都会で出る若者が多い傾向が見られます。県は移住者を呼び込むことに力を入れて取り組んでいますが、他の地域も同様に移住者呼び込みに取り組んでいるので、なかなか結果につなげるのが難しい状況が続いています。鳥取県の人口は毎年約4000人ほど減り続けていますので、計算上では、140年後には鳥取県は無人県になってしまいます。
人口減少は需要減、産業の衰退につながり、利便性の低下が更なる人口減をもたらして地域の存続に影響を及ぼすことにつながります。人口減少やこれに伴う経済規模の縮小を視野に入れたインフラの維持・補修策の検討は、インフラサービスの事業者にとって共通の課題となっていますが、人口減少エリアでは、設備の老朽化によって人口当たりインフラ維持コストが増加し、維持できなくなる事態が懸念されています。高齢化による影響も長期的に見れば、行政に悪影響を与えます。流行とか消費に興味がなくなった年金生活の高齢者ばかりの社会では、経済が縮小していくことになります。若い世代は活気のあるエリアに生活の拠点を移すことになります。労働人口が減少すれば、消費の中心となる人口が着実に減少していくことになり、さらに経済を縮小させます。税金を集められなくなった市町村は行政サービスを住民に提供することが徐々にできなくなっていきます。統廃合を繰り返しながら、なんとか持ちこたえようとしますが、自治他の判断では、住民に対して行政サービスを提供するエリアとストップさせるエリアを区分することになっていきます。財源がそのまま確保できなければ、打ち捨てられたエリアは徐々に広がっていくことになります。水道料金も高騰し、宅配も日数を要することになっていきます。突然の体調不良時にも救急車が駆けつけられなくなり、火事があっても消防車はなかなかやってこなくなります。自然災害などのトラブルが発生してもすぐに対応してもらえることもなくなり、治安がさらに悪化していきます。電線が切れて火花が散っている光景を目にすることがあるかもしれません。カラスや野生動物の死骸も転がったままになるかもしれません。ゴミは月に一度しか回収されなくなり、道路の街灯は消え、道は荒れた箇所がそのまま放置されガタガタになります。橋が落ち、町中から街灯が消え、空き家が崩れ、ツタに埋もれている光景が広がっていきます。最終的には通行止めになり、陸の孤島と化していきます。
しかし、そんな未来が想定されるエリアにお墓をそのまま放置している人たちもまだまだ少なくありません。数十年後にはそこにお墓があっても、その場所にたどり着くことさえ出来なくなるかもしれません。将来を見据えてお墓に対してしっかりと対応している人たちも徐々に増えてきました。【墓じまい・改葬】は決して先祖を粗末にする行為なのではなく、先祖を大切に考えているからこその将来に向けた対応です。厚生労働省が2023年10月に公表した「令和4年度衛生行政報告例」によると【墓じまい・改葬】の件数は1年間で日本全国で15万件以上もあります。日本全国の件数は20年で2倍以上に増加していることになります。ライフスタイルや価値観の多様化、そして急速な高齢化と少子化が同時に進んだ事が大きな要因かと考えられています。【少子高齢化による人口減少】を食い止めることは、もはや困難です。墓じまいの件数もますます増え続けていくことでしょう。今こそ【墓じまい・改葬】を本気で考えるタイミングに来ているのかもしれません。 |